土砂崩れの高槻市道樫田2号線

大型連休の手前、Googleで酷道を調べていると北部に良さそうなところを発見。しかしながら、ナビで確認すると思ったより遠かったため断念。
ここで終わりかと思ったところ、偶然ストリートビューで通行止めの道を発見。ストリートビューの事だからかなり前の情報だろうと思いつつも、結構近場だったのでこの目で確認へ行くことに。
なお、普段はこれほど荒れていない至って普通の道らしいので期間限定の風景である。

事前調査


場所は大阪府高槻市の出灰(いずりは)というところで、府道6号線から分岐する形で進入できる。
Google Mapやその他地図においても国道でも府道でもなく、路線番号が割り振られていない。
そのためかなり情報が限られてしまうのだが、どうやら高槻市道樫田2号線というのがこの路線の名称および番号のようだ。 これは高槻市の交通情報(樫田2号線における通行止めについて, 交通規制のお知らせ)より地図と名称が得られた。
Googleストリートビューの履歴で2018年9月のものを見てもらうとわかるが、通行止めの立て看板にプラスしてプラのバリケードが置かれている。
どうやらこの時期に台風21号(2018年)の被害で倒木がひどかったらしく、完全な通行止めを行なっていたようだ。(樫田地区、出灰エリアは被害がすごかった(台風21号))
高槻市の交通情報(樫田2号線における通行止めについて)でも書かれているが、通行止めはすでに解除されているはず。
再度確認したところ「交通規制について/高槻市ホームページ」に記載されている通り通行止めが行われているようだ。
執筆当時確認した上記のページは削除されていたが、規制解除が見間違いによる解釈だったのかどうか今となってはちょっと自信がない。

ストリートビューですら様子を見ることができない道、とても気になる。
というわけで、さすがにもう通行止めは解除されてるだろ(探索当時は2019年4月28日)と思って今回の旅がスタート。

実地調査

終わらぬ通行止め

さて、大阪の大通りから府道6号線を経由し、目的地前までやってきた。
まだ通行止めなんかい!

いつも入り口を探すのに彷徨うのだが、今回は数十m手前から迷うことなくここだってわかるほど。

しかしながら、ストリートビューの時とは異なってバリケードはないようだ。
ってことはワンチャン通行できるのでは・・・?


反対側からアプローチ

場所は飛んで、反対からアプローチ。
こちら側はストリートビューと全く同じでなんら変わらぬ状況だ。
通行止めもされていないのでやっぱり通行できるのでは・・・。

ちなみに場所はここ。



ちなみにこのあたりは中畑というところで、出灰と同じく大阪府高槻市に属す。
写真を見てもらえるとわかると思うが、周りには住居と森林以外無く、非常にのどかな場所だ。
大阪の街中を走ってきただけあってこの変化には本当に驚いた。
ところで、探索時は京都だと思っていたのだが、ギリギリ大阪のようだ。


後ろを通る府道733号線を北東へ向いた写真。
最高すぎないかここ・・・
当日はあいにくの雨だったが、逆に雨のおかげですごく美しい。
元々降ってなかったんけど山に入った途端に雨降ってきた(私が雨に突っ込んだだけ)。

ちなみにここを少し先に進むと京都府西京区に進入する。


またもや通行止め

出灰の方へ少し進むと案の定通行止めの文字が。
まさかとは思うけどストリートビューの時からずっと通行止めなのでは・・・? (後に違うことが判明) しかしながらここまできて引き返すわけにはいかない。
通れなくなるまで行ってみよう。
少なくともこの奥には住居もあるわけだし、多分そこまでは通れるだろう。

...なんてさも反対側からきたように書いてるが、実は一回通行した後に探索開始したため開通していることをすでに知っているのである。(裏話)


看板を超えて更に進むと路面状況は一変。
舗装自体はそれほど悪くはなく、道幅も無茶苦茶狭いわけではないのだが、サイドの枯れ草や枯れ葉と雨のせいで最悪のコンディションを作り上げている。


山へ入るとなぜ通行止めされているのか薄っすらと予測が出ててくる。
このあたりは道も広く周りもキレイだが・・・。


ウワァァァ・・・・
左側の倒木はもちろんのこと、ガードレールの凹み方が半端ない。
倒木もなぜか積み上がってるし降ってきたら即死だ。


倒木の嵐

倒木に関してはここが一番怖かった。
今にも滑り落ちてきそうだけど大丈夫かな・・・。

おそらくだが、2018年の台風21号の爪痕がまだ残っているのだと思われる。


ここ一番のデカブツが侵食してきている。
ここまで滑ってしまうとすぐにはどうすることもできないんだろうなぁ。


一時休戦


倒木区間を超えると普通の舗装林道が姿を現す。
今更だが、隣の川は出灰川と呼ぶそうだ。


うっそー、クマ出るんすかここ。
こういった道を巡る時に一番怖いのが獣系だ。
カブとは違って速度は出るものの、まだカブほど機敏には動けないので鉢合わせになったら終わりだ。
登山する方の苦労はこれ以上だと思うと感服する・・・。


ちょっと不思議な遺構。
出灰川を挟んだ反対側にあるのだが、橋が前にも後ろにもない。
もちろん昔はあったのだと思うが、いつから放置されてるんだろう・・・。


奥の方にある小屋っぽいところ。
橋っぽいの遺構も見られるのでこのあたりから出入りしてたのだろうか。
しかしながら、ガードレールもあるし本当にいつから放置されてるんだろう。
そして不思議なことに中の車ナンバープレートが付いている。
こういった廃墟では放置車両が結構な頻度で見られるが、ナンバープレートがついているといろいろと裏の経緯を連想してしまう。


鳥獣保護区 「京都府」・・・!?
どうやら地図を見るとこのあたりだけ京都に入るようだ。
こういう場合って道の管理どちらがやることになるのだろうか。
一応高槻市道だから高槻市がやるのかな。


振り返りに1枚。
一瞬現役の小屋かと思ったが、多分廃墟の小屋だろう。


進行方向にも廃墟が一つ。
ちなみにこの橋を超えてほんの少し進むと高槻市へ入る。
とはいえ京都の看板も大阪の看板もないから横断してたの全く気が付かなかった。


高槻市へ入るとすぐに住居が姿を現す。
この辺りは普通の住居なので迷惑にならないようにささっとと通り抜ける。
もしかすると先ほどの廃農地もこの辺りの方の持ち物なのだろうか。


少し進んだ中間地点あたりにポンポン山という案内看板が出てくる。
どうやらこの橋を越えるとポンポン山への登山道へ続くようだ。


カーブを曲がっていると立派な石碑を見つけた。
何かの施設かなーと思って見ると...「船宮神社」と書かれているではないか。
マジで!?と思って奥を見ると


神...社??
実は隣に研修施設があり、それに関係する施設だと思ってたが、どうやら神社らしい。
手前にはチェーン付きの車止があり、勝手に入ってはいけなさそうな雰囲気。
めちゃくちゃ廃墟のように見えるが、調べても廃墟という情報は得られなかったので多分現役だと思う。
神社や寺系は苦手なので深入りせずに先へ進む。


ここでやっと通行止め区間が姿を現す。
この位置から見るとこれ以上先に進めないような雰囲気がバンバン感じるが...。


普通に路肩の方が通れるようになっている。
しかも通行止めのはずなのに普通に車通っていた。
車来ないだろうと写真撮影してたら突然前から車がきたのでびっくり。


面白いことに段差のところに土嚢が置いてあって明らか車が通れるようになっている。
この真ん前に住居があり、奥にもあるのでそこで暮らす方が通れるようにってことで暫定的な対応なのだろう。


山奥に生きる施設たち

まだまだ続く。
通行止め(?)区間をすぎると今まで同様一車線の道が続く。


地図にもあったが、手作りの本の里だ。
調べても一切情報が出てこなかったのだが、どうやら人はいるようで営業?してるみたい。


ちょっと進むと出灰不動尊と書かれた綺麗な看板が見えてくる。
どうやら滝があるようで、詳しくはわからないが滝行するらしい。
のぼりもあるし結構人が来るのかな?


滝のすぐそばに民芸館かつカフェであった建物がある。
本当はここでお昼を食べる予定だったが、なんと2017年10月29日に閉店したらしかった。
そんなこともあって廃墟化しているように見えるが、吹き抜けなのか電気なのかわからないが際どい明かりがあったため今でも人がいる可能性がある。
廃墟にしては室内が綺麗だったのでおそらく定期的に管理しているのだろう。
この前には登録農林漁業体験民宿と書かれた建物があったが、こちらも長く利用されているような雰囲気はなかった。

ここからは再び自然に包まれる。
この辺りで車2台とセロー250とすれ違った。
土砂崩れのところもそうだが、通行止めではあるものの、普通に交通があるようだった。


集落と終着点

さて、自然を抜けると集落が見えてくる。
集落名はわからなかったが、現役で使われている建物も多く、府道6号線も隣接しているため山奥の集落としては利便性はいい方なのだろう。
京都府道110号線を探索した際はコンビニはおろか、個人営業の店ですらなかったため本当にどうやって生きているのか不思議なくらいだったのは記憶に新しい。
ここまでくればほぼ樫田2号は終わったも同然だ。


見覚えのあるカーブが見えてきた。
裏側を向いているためわかりづらいが、カーブの先右端に例の通行止の看板が置いてある。
樫田2号はここで終わりとなり、そのまま府道6号へと接続する。



事後調査

というわけで綺麗だなーっと口を開けながら探索をしたわけだが、軽く通行止めについて事後調査を行う。
台風21号の被害により2018年9月の時点で通行止めになっており、さすがに解除されてるだろうと思って探索を行ったが結果は今だに通行止め。
新たに雨などで災害があったのかとも思ったが、どうやら違うようだ。
2019.01.26の記事のようだが、決定的な写真が掲載されていた。
寒いと言う予報なので、高槻駅北発二料行きのバスに登山客は少ない。山間に入ると乗客は我々2人となる。出灰が近づいてくるとバスから見る山々は台風で悲惨な姿を見せているが、倒木が多いと言うよりは山が死んだようにも見える。 出灰バス停で降り出灰への分岐入り口を見ると「通行止め」の看板が立ててある。もう台風から4か月は経っているので、何処が通行止めか分からないが「行けるとこまで進んで見よう!」と出灰登山口へ向かうことにし、バス停待合所で準備する。
ポンポン山 出灰道~本山寺道 2019.01.26より引用

通行止めの立て看板があったところと状態が全く一緒だ。
ということは、あの倒木や地滑りは2018年の台風21号が発端であり、あれから完全な復旧には至っていなかったようだ。
倒木の量からして完全な復旧はかなり難しい気がするし、どれぐらいかかるのだろう。

道路情報では2月27日の更新ながら通行できないことになっており、実際に通行止め看板が置かれている。
しかしながら、地味に通れるようになっており、実際に車の通行を何台か確認しているので、本当に通行止めがされているのか看板が立っているだけなのかよくわからない道だった。
間違いなく言えるのは大きめのトラックや大型乗用車は通行が不可能か困難なのは確か。
普通に考えてこんなところ通らないと思うが、車高低い車なども注意が必要だろう。

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