京都府道62号 犬打峠トンネル 再訪

京都府道62号の近場を通る機会があったため、4年ぶりに久しぶりに訪れてみることに。
今回の記事は探索予定がなかったためほぼほぼ現状の紹介で終わりそうだが、せっかくなので記事を残しておく。
以前のレポートは京都府道62号線 隠れた腐道を参照してほしい。

事前情報

場所は京都府和束町の「京都府道62号宇治木屋線」である。
前回レポートした通り主要地方道であるが、線形は主要とは思えぬほど傾斜がありカーブも多い。
にも関わらず交通量は多いという。

そんな腐道であるが、今回はそのうちの「犬打峠」のレポートを軽くしていこうと思う。

探索開始

北側

何の気無しに走っていると突然工事現場のような場所が目に入ってきた。
場所が場所だけに工事関係の施設ができていてもおかしくはないと思うが、なにやら奥に怪しいものが・・・。
どこからどう見てもトンネルだ!
しばらく見ないうちにかなり大きく変わってしまっていたようだ。
しかも坑口もしっかりとできている。もしかして貫通しているのか・・・?
主要地方道ということに懐疑的な印象を持っていたが、どうやら本当に主要地方道で交通量もそれなりにあるようだ。
しかしながらこれほど厳重だと内部を確認するのは不可能に近い。
大杉トンネルとは大違いだ。

トンネルから道沿いに進むと砂利が積まれている。
山ズリのようにも見えるが、道路のようにも見える。
ズリを利用して道路の地盤を作っているのだろうか。
調べてみるとどうやら岩ズリを用いた置換工法というものがあるらしいからそれだろうか。(林業専用道新設工事における軟弱な土質に対する安定処理の実施と検証について)

南側

場所は飛んで南側へ。
道中はまったく変わりなく、幅員が増したなどの改築もなく相変わらず腐道であった。

さて、南側だが、なにやらすごいことになっている。


トンネル工事が行われていない以前の探索では上の動画のようになっていたのだが、現在では現道の上に新道が建設されており、ボックスカルバートによるトンネルができあがっていた。

本体のトンネルはというと、北側ほどではないが坑口が構えられていた。
この様子だとまだ貫通はしていないのかもしれない。

ところで、犬打峠という名前はどうやら今まで走ってきた峠の名前のようだった。
4年経って初めて知ったぞ。
それもそのはずで、実は地理院地図には犬打峠の名前は書かれているのだが、当時は地理院地図を知らなかったのだった。
しかしそのままの名前なんだな・・・。

事後調査

というわけで久しぶりに訪れたら何やら大掛かりなトンネルができていた。
最近建設されたと思うような雰囲気だが、どうやら構想自体はかなり前からあったらしい。
30年以上前からトンネル建設の構想はあったという。多額の事業費がネックだったが、新名神高速道路の整備に伴った交通需要の増加を見込み、 2016年に事業化された。
30年も前から構想があったというのだから驚きだ。
この辺りの地域に長く住んでいたが、こういった話は一切聞いたことがなかった。
また、驚くことに前回の探索時には既に事業化が成されていた。
着工してなかっただけだと思うが、全く工事をしているような雰囲気がなかっただけに驚きだ。

また、現道の状況について少し触れられているのでそこも見ていこう。
府山城北土木事務所によると、現在の府道は急勾配と急カーブが連続するほか、8割以上の区間が道路幅5・5メートル以下で、以前から危険性が指摘されていた。
前回の探索でもうおわかりだと思うが、道路幅は5.5m以下なんてものではなく車一台しか通れないため最も狭隘なところで恐らく3m以下である。(目視なのでかなり大雑把だが)
実際に離合が不可能な地点ばかりで比較的幅が広い区間でも対向車が来ると四輪車は軽自動車であっても厳しいと思われる。

更に拍車をかけるのが鋭角カーブと勾配である。
状況は前回のレポートを見てほしいが、二輪も四輪も初心者が通れば生きた心地がしないだろう。
ちなみに台風が来ると路面がぐちゃぐちゃになる上によく土砂崩れが起こるような場所でもある。

11月29日には、両町長や府知事らが出席して着工式が行われた。宇治田原町側のトンネル出入り口近隣で農業を営む男性(79)は「(通れないのに)大型バスが間違って来ることもあった。ようやくという感じ」と語った。
更に言動には大型バスが入ることがあるらしい。まじかよ。
確かに国道307号線はかなり広いし府道5号もそれなりに広い。
また、これらに接続する区間は普通に大型トラックでも余裕で通れるほど広いし現代的な道なため通行できると思うのも仕方がない。
しかしながら、迷い込んだときのドライバーの気持ちは察するに余りある・・・。

では最後にトンネルの予想線を見ておこう。
もう少しカーブしそうだが、おおよそこのような形になると思われる。
道路状況が最悪な区間をイイカンジにショートカットできる、そんな位置となる。
2023年完成予定のようだが、もしこの道が完成すれば交通の便は大きく改善されるだろう。(だってあんな道通りたくないだろ普通)
それに旧道スキとしてはトンネルができた後の峠道は非常に興味がそそられる。
畑などがあるため封鎖されることはないと思うが、今以上に寂れた道になってしまうのだろうか。
その際は再度レポートしたいと思う。

2 thoughts on “京都府道62号 犬打峠トンネル 再訪”

  1. キーさん より:

    犬打峠のトンネルは、「鷲峯山トンネル」になったと聞いたが、新しい取材をして頂きたい。

    1. アバター画像 AonaSuzutsuki より:

      コメントありがとうございます。
      鷲峯山トンネルへ変更されたのですね、新しい情報ありがとうございます!
      結構前の探索なので現状がどのようになっているかまた再訪したいと思います。

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