神崎川を渡る橋にて対向車線に未使用の車線があったことで怪しいと睨んでいたが、その予感が的中することとなった。
広い道から急に三叉路になったと思えば目の前には広大な土地とそれを塞ぐガードレール、そして人の要から離れた横断歩道達が本来踏むであろう自動車の往来を眺めていた。
事前調査
今回は突発で見つけたため事前調査は一切していないのだが、位置の確認のために事前調査として地図を載せていく。始まりは大阪府吹田市寿町の府道14号に入ったすぐの場所だ。
そして今回の終点が大阪府大阪市東淀川区西淡路の交差点だ。
ぶっちゃけると府道14号はなんら関係がないのだが、旅の時系列では必須要素なのである。
というか探索及び執筆当初は府道14号の未成だと思ってたため府道14号からの探索となってしまった。
では早速府道14号から未成市道を訪れてみよう。
第一回探索編
平凡な主要地方道
国道479号から左折すると一車線になるもののごく一般的な都市部の府道へ繋がる。
この時はどのタイミングで帰ろうかと考えていたところである。
探索予定が一切なかったため、珍しくiPhoneによる撮影ではなく、GoProの映像を画像化したものとなっている。
改めて低解像度の未編集GoPro画像を見るとホラー画像感が半端ないな・・・。
信号を超えると阪急千里線をトンネルで潜って抜ける。
現地でしっかりと探したわけではないが、扁額のようなものはなかった。
暫く進むと神崎川が目の前に現れるため、橋を利用して超えることとなる。
で、この橋なのだが、なぜか対向車線だけが一車線分潰されている。
更にここが不思議なのはGoogle Mapを見てもらえるとわかるのだが、ほんの一部の区間だけが潰されているのだ。
この奇妙な形・・・、何のために潰しているんだ・・・?
両車線を潰すならまだしも、片方だけほんの一部潰している。
謎すぎる。
これもしかして未成なんじゃね・・・?
そんな疑問を抱きつつ橋を降りると不穏な物が奥に見える。
私から見て直角にガードレールがあるのである。
...行き止まりじゃね?...
でも地面にはしっかりと直進の道路標示が描かれている。
うおおおい!?直進道路ないじゃんか!!
案の定完全にガードレールで塞がれていたのだった。
これは完全に未成道ですわ・・・。
貫通はしていないのだが。
未成区間
というわけで偶然見かけた封鎖にまんまと釣られてここに降り立ってしまった。
明らか不自然な道幅が用意されており、地面には不要なほど長い横断歩道が薄れた状態で残されている。
ここはガードレールで隔てられているため完全に歩道として供用されている部分だ。
通常ならここに横断歩道を敷く必要はないはず。
そしてこの不自然な道幅は後ろを振り向くとその理由がよくわかる。
建物の量は明確に異なるが、道幅で見るとほとんど同じことがわかるだろうか。
つまり、ここは府道14号(14号としてかどうかは不明)をそのままの形で繋げようとした跡なのである。
ただ、未成道だと勘付いた神崎川に架けられた橋であるが、片側だけ車線減少している理由はよくわからない。
また、今回からサイトのシステムとしてマウスオーバーによる画像表示とマウスオーバーによる画像チェンジ機能を実装した。
赤枠の破線で囲まれた画像はマウスオーバーすると画像が切り替わり、**で囲まれたリンクはマウスオーバーすると画像が表示される。
東側を向くと横断歩道の薄れ具合もさることながら、ポールで自動車の進入は防がれている。
もちろん反対側もだ。
で、さらに注目したいのが現道に敷かれた横断歩道だ。
そこだけやたらキレイに塗り直されており、薄れてる様子もない。
定期的にメンテナンスがされているようだ。
つまり、薄れた横断歩道は未成区間を工事している最中かあるいは交差点を工事してる最中に敷かれたものと考えられる。
横断歩道が敷かれた時点でここの道は開通する前提だったのだろう。
未成区間の横断歩道より奥には工事用の空き地のようなものと、一般開放された公園があり、アスファルト舗装がなされていない。
だが、少し進むとやたら厳重に封鎖されたアスファルト舗装だけが成された空き地がぽつんと佇んでいる。
駐車スペースかと思ったが、自動車が入れるような入り口はなく非常に異様な空間だった。
また、フェンスの新しさも然ることながら、アスファルト舗装もかなりきれいなものだった。
かなり最近に整備されたようで、どうにも放棄されたようには見えない。
事後調査
工事は着々と進められている?
一回目の探索で取り上げたが、やけにきれいなのが目についたのでストリートビューで履歴を確認してみた。最新のストリートビューで2018年10月だったが、この頃は奥に廃墟のようなものが確認できた。
次は遡って2015年3月だ。
この時期は公園として利用されていたらしい。
工事が進められているというような雰囲気も感じられない。
そして2016年5月だが、ついにアスファルト舗装ののちにフェンスによって固く侵入が防がれてしまった。
そして現在の建物取壊しとその部分のアスファルト舗装である。
つまり廃墟や公園は取り壊され、周りはガチガチにアスファルト舗装とフェンスで固められたわけだが、単に取り壊されたのではなくおそらく道路用地として買い取られたのだと考えられる。
時期的にもつい最近であるし、現在でも道路延長計画は進められていると考えてよいだろう。
そして、この考えに決定打を放ったのが大阪市の都市計画道路 十三吹田線だ。
かなり簡易な図であるが、今回探索した一部分を完全に踏襲していることが見て取れる。
やっぱり未成道だったんだ・・・!
ただ、大阪市のホームページに掲載されていることから、府道14号の延長ではなく市道十三吹田線として整備されるのだと思われる。
そんなこと気にする人はほぼいないだろうけど...。
実際に整備される軌跡を予想してみる
次に大阪市の資料と航空写真を眺めると一つの軌跡が見えてくる。それが水色で引いたラインだ。
なぜこの軌跡を予測したかというと、航空写真で見る限りこのラインの箇所に点々とアスファルト舗装とフェンスで封鎖された土地があるからである。
拡大縮小は地理院地図より行ってもらうとして、全体が見える状態で当該箇所を繋いでみた。
大体赤丸で示した箇所を拡大すると黒っぽい土地が見えるはずだ。
ストリートビューで確認すると更にわかるが、探索時に見かけたような空き地が各所で見られるはずだ。
それらの箇所を結ぶとこのラインが出来上がる。
大阪市の資料とほぼ同じだが、完全な直線ではなく実際には微妙にカーブした状態で整備されると予想できる。
前後するが、もう一つ大阪市の資料(都市計画道路 十三吹田線)で重要なのが「事業認可」の項目だ。
執筆当時の情報だが、「平成10年2月9日~平成35年3月31日(令和5年)」とされており、現在も事業として継続しているようだった。
つまり、私が探索時及び事後調査で予測した線形は大阪市が現在もなお計画している道路延長工事だった。
てっきり放置状態かと思っていたが、まさか繋げる計画がまだ進行しているとは・・・。
しかしながら、この辺りはまだ住宅が立ち並んでおり、おそらく現状ではごく一部しか土地は得られていないのだろう。
立ち退き勝負もあるだろうしこれは難工事になりそうだ。
淀川の長柄橋との接続について
ここまで接続するのであれば淀川の橋まで繋げるだろと浅はかながら思っていたが、それはほぼ確実にないと言えそうだ。というのも、十三吹田線から長柄橋まで線形を引くとそれらしい形になるのだが、長柄橋の手前に柴島浄水場という特大施設がある。
さすがにその施設を分断して道を作るとも思えないし、高架を建てるとも思えない。
また、トンネルも考えたが施設の位置と長柄橋の位置関係からスペースが足りないし、そもそも浄水場なら結構な深さの浄水槽があるはずだ。
しかしながら、十三吹田線(予定)を直進すると中央分離帯が設置されているほど広い道が実は整備されているのだ。(車線は1つに削られているが)
この広さは一体何を意味するのか、都市計画道路には指定されていなかったため情報は得られなかったが、尚更あの幅員で延長する意図が読めない。
真相は令和5年以降にわかるというところか・・・。