カーブと地滑りそして圏外 恐怖の府道110号線

京都府で観光名所と化している百井別れ、そこをスルーして更に奥へ進むと出てくる京都府道110号線。
出入り口は普通の面構えだったが、その奥はヘアピンカーブと地滑り、最悪のコンディションであった。
携帯の電波がほとんど入らない区間が多く、熊の出没もあるようで、今まで走った中で一番怖かった府道だと記憶している。

事後調査

事前に調べようと思ったものの実際に見てから出ないと大した情報が得られないため、恒例の事後調査からスタートする。
場所は京都市左京区の結構北に行ったところ。

府道38号線を通り、観光名所と化している百井別れを通過し、国道477号線を経由して再び38号線に戻ったところにその入口はある。

路線は全体的に狭隘な区間が多く、普通車同士の離合は不可能なポイントが大半である。
路面状況も地滑りや陥没、土で覆われている区間が多く、更には隣がほぼ崖というなかなか肝が冷える峠区間が非常に多い。
極めつけに熊など動物の出没も多く、ほとんどの区間で携帯電話回線は圏外か非常に弱い
実際に熊は目撃しなかったものの、鹿は実際に目撃した。
たとえ鹿であっても当たればかなりの被害を受ける上に携帯電話は使えない、非常電話は一切ないため、自走不可能な事故に合えば徒歩で滋賀まで出るほかないだろう。

Wikipediaではドコモのエリア化が成されたと書かれているが、実際に走った感想では4Gはほぼ圏外、3Gも強くて2本くらいとなかなかに心もとない電波状況だった。
UQ Mobileは終始圏外で全く使い物にならなかった。
ただし、ドコモでGoogle Mapの地図更新(新規検索ではない)くらいはなんとかできたため道路状況くらいは確認できそう。

そんな府道110号線だが、国土交通省平成27年度調べによると昼間だけで32台、1日で計44台ほどの通行量のようで、それほど大きな路線ではないよう。
実際に走行した際も指で数えられるほどしか通行はなかった。
つまり、事故を起こしても車に出会う確率は非常に少なく、携帯電話回線も微妙、動物も出没すると最悪の状況が出来上がるため、慎重に運転しないと地獄を見ることになるだろう。
街灯も何一つ整備されていないため、夜間の通行はオススメしない

現地へ

府道38号線から百井別れへ


スタートは鞍馬本町の京都府道38号線から。
この区間の38号線はキレイなものの、道幅が狭いところが多々ある。
京都市内中心部は片側二車線-四車線とめちゃくちゃ広いためギャップがすごい。
また、このあたりは観光地なようで観光客を結構見かけた。
目的ではないので寄らなかったが、温泉があったり結構良さそう。


先に進むとキレイな観光地から一変、山道へと変化する。
住宅の立ち並ぶ風景もキレイだが、一番私が求めていたものはこれだ。
道中はそれほど期待していなかったものの、これは期待できそう。


先へ進むと小さな橋が現れる。
路面状況、道の狭さ、橋の汚れ具合がとてもいい味を出している。
写真には撮っていなかったが、このあたりから熊出没注意の看板がちらほら散見される。
私の地域では熊は出没しないため、かなりビクつきながら撮影を続る。


路面状況は更に悪くなり、陥没だらけでガツンガツンと嫌な振動が多くなってきた。
腰に悪いのもそうだが、バイクにも明らかよくない振動だとわかるため、慎重に進んでいく。


とりあえず観光名所と化している百井別れへと到着。
実はここにも寄りたいと思いつつも時間的に無理だろうなと思っていたのだが、偶然にも通りかかった。
実際に目の当たりにた感想としては、カーブ以上に下った先の国道の道路状況が最悪だったのでそっちのほうが心配。
今回は先へは行かないが、次回ここに来たときはこっちも進んでみよう。

百井別れから京都府道110号線へ


ここであまり時間を使いすぎると目的のところまでたどり着けなくなってしまうため、足早に先へ進む。
百井別れからも国道477号線へと変わるが、府道38号線と同じような路面状況で、更にヘアピンカーブの連続で非常に危険な道だった。
正直止まってられなかったのでその時の写真は撮っていない。
で、この写真は峠を下りきったところにあったおにぎり477号の写真。
このあたりは比較的きれいな道で走りやすい。


国道477号は特に見どころはないのだが、道中にすごい道があった。
写真の後ろには現道の橋があるのだが、こちらは恐らく橋ができる前の旧道だろう。
通行止めはされていないものの、かなり状態が悪い道だと容易にわかる。


少し進むとすぐにこの有様。
轍の状態から最近でも一応通行はあったのだろうか。
この状態では走る姿を想像することすらできない。


更に進むと路面状況はかなり悪くなってくる。
落石のあとだろうか、かなり尖った石がこの先一面に広がっている。
バイクだから余裕だと突っ込んだものの、パンクする未来が見えたのでここで引き返すことに。
ちなみに現道から確認したが、この先に土砂崩れが起きていたため、どちらにせよ先へ進むのは無理だった。


状態のいい道をひたすら走っていると目的の標識が見えてきた。
お待ちかね、京都府道110号線の登場だ。


京都府道110号線から滋賀県道781号線


入り口は普通の峠道という感じだが、手前には大型車通行止めの看板が立てかけてあった。
更に大型車の裏に全面の文字もあったため、全ての車両で通行が不可能な状況がかつてあったのだと想像できる。


先へ進むとこんな感じでちょっとだけ砂っぽくて路面状況が悪いかな?程度で道の広さも大型トラックが普通に通れる大きさ。
なんなら先程通ってきた国道477号線のほうが狭い上に大型トラックも通っていた。


毎度おなじみの川だ。
ここの川は非常に透き通っていてそれでもって冷たく、非常に気持ちがいいところだった。
付近の空気も涼しく、長袖長ズボンでもそれなりに涼しかった。
どこかの灼熱森林とは大違い。


さて、先は長いのだ、川で時間を潰している暇はない。
少し進むと道幅が徐々に狭くなってくる。
路面状況はそれほど悪くないものの、雲行きが悪くなってくるのを感じ始める。


ついに1車線ほどしかない道へと変わってしまった。
この道はしばらく続く上に離合ポイントはほぼないため、四輪車だとかなり気を使いそうだ。
しかしながら、橋がある対岸には現役の家があるのだが、買い物などはどうしているのだろうか・・・。


住宅地を抜けるとまたしても森の中へと突入する。
この付近は人気が無い住宅が多いのだが、全体的に見ると意外にも車が止まっていたりで人は暮らしているもよう。
廃墟っぽい廃墟がほとんど無いのが非常に印象に残る。


そしてもう一つ驚いたのが砂防ダムが少なかったことだ。
大体こういった山道の河川は砂防ダムがところどころ設置してあるのだが、ここは流れが穏やかなのか砂防ダムが非常に少ない。
これは唯一見つけたものだが、独特な形をしている。これも砂防ダムなのだろうか。


今更ながら今回も相方はDunk乗り。
焼くためとなかなか恐ろしい服装をしているが、帰り際に後悔しているのでそっとしておいてあげてほしい。
ところで、iPhone Xのポートレートは一眼のような写真が撮れてなかなか楽しい。
2.5m以内に入れろと言われるものの、入れなくても結構いい写真が撮れるので持っている方はぜひお試しあれ。


少し進むと初めての離合ポイントが姿を見せる。
しかも運のいいことにここで撮影中に二台のハイエースが通過していった。
対向車は後にも先にもここだけだった。


道が広くなったと思うと結構キレイな橋がかけられていた。
高橋口橋という名前のようで、施行日は昭和51年3月だそうだ。
また、隣を流れていた川は能見川というそう。
橋には詳しくないためこれ以上は何も得られなかった。


路面状況は更に悪くなっていく。
農道と考えれば妥当な感じがするが、ここは府道だ。


少し進むともう一つ橋が姿を現す。
しかしながら、こちらの橋は先程と比べてかなり簡素な作りだ。
施行日などは一切見られないものの、先程の橋が後に作られたのだろうか。


更に進むと上りに差し掛かる。
そしてここからなぜかアスファルトがかなり新しいものに変わる。
1年以内に改修されたような綺麗さだが、どうしてここだけこんなにキレイなのか・・・。

更に不思議なことに道路がかなり広くなる区間がここだけ現れる。
アスファルトも同じくキレイでかなり謎が深い府道。

恐怖、地滑りとヘアピンカーブそして崖


安心したのもつかの間、路面状況の悪化と地滑りがいきなり現れる。
しかもこの先のガードレールが落ちているところには京都府警のカラーコーンが置かれていた。
詳しく知らないのだが、ただの地滑りでも警察が動くのだろうか。


ここからは地滑り、崖、落下物、陥没のオンパレード。
写真の場所はまだかわいいものだが、この先信じられないくらい段差に悩まされることに。


そして第一そして唯一の360°超えヘアピンカーブ。
路面状況も相まってかなり危険なカーブだろう。
ここを猛スピードで突っ込む奴はいないと思うが、道を外れると崖に真っ逆さま。
この先にはガードレールのない崖が存在する。


キレイなアスファルトの次はキレイな土のコーティング。
アスファルトが見えないくらい土でコーティングされており、更に湿ってるため、気をつけないとスリップしそう。


別のサイト様でも触れられていたが、ミツバチが道の真横で飼育されている。
この時もミツバチがぶんぶん飛んでいて正直ビックリしたが、ミツバチ自体そう刺して来ないと聞くので大丈夫なのだろう。

集落から国道367号まで


ここから住宅地に進入する。
もともと茅葺き屋根だったのだろうか、あまり詳しくないが、それっぽい形をしている。
ここは結構昔から集落があることが伺える。


少し進むと公共施設っぽいものがいくつか散見される。
写真にもちょっとだけ写っているが、交番もあった。
人は見られなかったが、それなりに人が暮らしているようだ。


しばらく進むと再び山道に変貌する。
ここからは今までのようなキツイ峠道ではなく、結構整備された綺麗な道が続く。
おそらく集落の方達は滋賀に抜けるほうが多いのだろう。


滋賀県に突入する。
まさか滋賀県に入るとは思ってもいなかったので二人して驚きの声をあげながら先へ進む。


今回の一押しポイント。
杉並木に綺麗なアーチ状のカーブ、程よい細さでここの山道を物語っている。
ちなみにだが、ここの先だったか後ろだったか、キャンプ場があるみたいでそこそこの人と交通量があった。


府道110号および、県道781号の終点だ。
ここで少し休憩してから折り返してノンストップで帰路についた。

なかなかすごい道路状況だったが、冒険感があってかなり楽しめる府道だった。
撮影と記事投稿日は数ヶ月の差があるので整備されているかもしれないが、涼しく舗装された山道を楽しむにはもってこいだ。
ただ、夜間は本当に危ないので走行する場合は要注意。

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